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「再資源化」の定義が違う?法律ごとの再資源化の違いをわかりやすく解説

日本の資源循環に関する法律で「再資源化」という言葉が使われていますが、実は法律によって定義が異なることをご存知でしょうか?
また、昨年施行された「再資源化事業等高度化法」における「再資源化」はどう定義されているのでしょうか?
今回は、2000年以降に施行された環境・廃棄物関連法律について、「再資源化」の定義の違いについて解説します。
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1.循環型社会形成推進基本法における「再資源化」
2000年(平成12年)に制定・施行された循環型社会形成推進基本法は「循環型社会」を目指す基本法です。
ここでの「再資源化」は広い範囲を指しています。
具体的には以下の3つが含まれます。
- 再使用(リユース):循環資源をそのまま使用すること
- 再生利用(リサイクル):循環資源を原材料として利用すること
- 熱回収(サーマルリサイクル):燃焼可能な循環資源を熱エネルギーとして利用すること
つまり、この法律では熱回収も再資源化に含まれるのが大きな特徴です。
廃棄物を焼却してエネルギーとして回収する、いわゆるサーマルリサイクルも「再資源化」として位置づけられています。
2.2000年以降に施行された環境・廃棄物関連法律での「再資源化」
(1)熱回収が含まれる法律
・建設リサイクル法(2002年施行)
再資源化の定義に「燃焼の用に供することができる状態にすること」が明記され、熱回収を含みます。
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
(定義)
第二条
4 この法律において建設資材廃棄物について「再資源化」とは、次に掲げる行為であって、分別解体等に伴って生じた建設資材廃棄物の運搬又は処分(再生することを含む。)に該当するものをいう。
一 分別解体等に伴って生じた建設資材廃棄物について、資材又は原材料として利用すること(建設資材廃棄物をそのまま用いることを除く。)ができる状態にする行為
二 分別解体等に伴って生じた建設資材廃棄物であって燃焼の用に供することができるもの又はその可能性のあるものについて、熱を得ることに利用することができる状態にする行為
・自動車リサイクル法(2005年施行)
第2条で、再資源化に「熱を得ることに利用すること」を含めています。
使用済自動車の再資源化等に関する法律
(定義)
第二条
9 この法律において「再資源化」とは、次に掲げる行為をいう。
一 使用済自動車、解体自動車又は特定再資源化物品の全部又は一部を原材料又は部品その他製品の一部として利用することができる状態にする行為
二 使用済自動車、解体自動車又は特定再資源化物品の全部又は一部であって燃焼の用に供することができるもの又はその可能性のあるものを熱を得ることに利用することができる状態にする行為
・食品リサイクル法(2001年施行)
再生利用が困難な場合の次善策として熱回収が位置づけられています。
(優先順位:➀発生抑制、②再生利用、➂熱回収、➃減量)
食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律
(定義)
第二条
6 この法律において「熱回収」とは、次に掲げる行為をいう。
一 自ら又は他人に委託して食品循環資源を熱を得ることに利用すること(食品循環資源の有効な利用の確保に資するものとして主務省令で定める基準に適合するものに限る。)。
二 食品循環資源を熱を得ることに利用するために譲渡すること(食品循環資源の有効な利用の確保に資するものとして主務省令で定める基準に適合するものに限る。)。
主務省令で定める基準(「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律第2条第6項の基準を定める省令」平成十九年農林水産省・環境省令第五号)
① 食品関連事業者の工場等から75kmの範囲内に特定肥飼料等の製造施設が存在しない場合
→75km圏内に製造施設が存在する場合でも、施設側の受入容量の問題や食品循環資源の種類・性状の点から受け入れできない場合は、熱回収として認められる。
② メタン化と同等以上に高い効率で発電等のエネルギーが回収、利用できること
→・廃食用油等の場合は、得られる熱量が1トン当たり28,000メガジュール以上
・上記以外の場合は、得られる熱又は電気の量が1トン当たり160メガジュール以上
・プラスチック資源循環促進法(2022年施行)
再資源化の定義に「燃焼に供される可能性のあるものであれば、熱エネルギーを得るために利用できる状態にすること」が含まれており、熱回収が明確に再資源化の一部として位置づけられています。
プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律
(定義)
第二条
6 この法律において「再資源化等」とは、再資源化及び使用済プラスチック使用製品等の全部又は一部であって燃焼の用に供することができるもの又はその可能性のあるものを熱を得ることに利用することができる状態にすることをいう。
(2)(直接の)熱回収が含まれない法律
・家電リサイクル法(2001年施行)
再商品化と熱回収は明確に区別され、熱回収は再商品化に含まれず、リサイクル率の計算からも除外されています。
・容器包装リサイクル法(1997年施行、2000年完全施行)
再商品化はマテリアル・ケミカルリサイクルを優先し、サーマルリサイクルは通常の再商品化から対象外とされています。
・小型家電リサイクル法(2013年施行)
「再資源化」は、「使用済小型電子機器等の全部または一部を原材料や部品、その他の製品の一部として利用できる状態にすること」と定義され、物質の再利用を重視しています。
熱回収については法文上明記されておらず、マテリアル・ケミカルリサイクルが中心となっています。
3.再資源化事業等高度化法における「再資源化」
2025年(令和7年)11月21日に全面施行された再資源化事業等高度化法では、「再資源化」の定義が次のようになっています。
(定義)
第二条 この法律において「再資源化」とは、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)第二条第一項に規定する廃棄物をいう。以下同じ。)の全部又は一部を部品又は原材料その他製品の一部として利用することができる状態にすることをいう。
この法律では、「再資源化」を
・廃棄物を「部品」や「原材料」として利用できる形態に加工すること
・「その他製品の一部」として燃料製品の一部にすること※
としています。
これは、あくまで「製品」への利用であり、焼却発電のような直接的な熱回収は含まれません。
(容器包装リサイクル法と同じような考えとも言えます。)
つまり、物質として資源を循環させることに重点が置かれており、単にエネルギーとして利用する熱回収は「再資源化」とは見なされないのです。
※『「その他製品の一部」として燃料製品の一部にすること。』については、令和7年11月に環境省から出された「再資源化事業等の高度化に係る認定申請の手引き」で、「当面は」燃料製品の一部とすることを認めるというニュアンスで書かれているので、いずれ変わっていく可能性はあります。
4.なぜ定義が違うのか?
この違いには明確な理由があります。
循環型社会形成推進基本法は、2001年に施行された基本法で、循環型社会の全体像を描く広範な枠組みを提供しています。
廃棄物の発生抑制から適正処分まで、様々な処理方法を包括的にカバーしているため、熱回収も再資源化に含めています。
一方、再資源化事業等高度化法は、より高度な資源循環を目指す新しい法律です。
高品質な再生材を安定的に供給し、脱炭素化を加速することを目的としているため、物質循環に焦点を絞り、熱回収を除外しています。
5.まとめ:法律の目的で定義が変わる
- 循環型社会形成推進基本法 : 熱回収を含む広い定義
- 再資源化事業等高度化法 : 熱回収を含まない定義
同じ「再資源化」という言葉でも、法律の目的によってその範囲が異なることに注意が必要です。
両法律は相補的に機能し、日本の持続可能な資源循環社会の実現を目指しています。
事業者の方々は、どちらの法律に基づいて対応するかによって、「再資源化」として認められる範囲が変わることを理解しておくことが重要です。
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この記事を監修している【株式会社 環境と開発】の代表取締役 田邉です。
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