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2026年4月施行 森林法等の改正について

2026年(令和8年)4月1日より施行される法律があります。
「森林経営管理法及び森林法の一部を改正する法律」(令和7年5月30日公布、法律第48号)
2025年5月に成立、公布され、今年の4月に施行されます。
ただ、法律名のとおり、メインは森林経営に関するものがほとんどなのですが、
開発関係の変更もいくつかあります。
林地に関する「施業施設協定」と林地開発許可での「許可条件違反に対する罰則の追加」です。
そこでこの記事では、「森林経営管理法及び森林法の一部を改正する法律」の変更点とその注意点について解説していきます。
※令和4年の森林法施行令及び施行規則等の改正内容については、コチラから
林地開発許可制度の見直しについて ~令和5年4月から変わった点を解説~
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1.「森林経営管理法及び森林法の一部を改正する法律」について
2026年4月に施行される「森林経営管理法及び森林法の一部を改正する法律」は、森林の集積・集約化を促進し、林業経営の効率化を図ることを目的としており、林業経営体にとっては事業拡大の機会となる一方、新制度への理解と適切な対応が必要となります。
林業経営に関する部分は専門外なので説明を省きますが、森林法の一部改正に開発事業者にとって関係してくるのが2点あります。
林地に関する「施業施設協定」と林地開発許可での「許可条件違反に対する罰則の追加」です。
2.林地に関する「施業施設協定」の注意点
林地に関する「施業施設協定」というのは、今回の改正で新たに出てきたものです。
内容は次のとおりです。
森林法(2026.4.1改正後)の第10条の11の9で、
森林所有者等及び施設所有者等は、市町村の長の認可を受けて、森林施業の実施のために必要な施設の設置又は維持運営に関する事項(施業施設協定の目的となる森林の区域及びその面積並びに施業施設の位置、施業施設の設置又は維持運営に関する事項、施業施設協定の有効期間、施業施設協定に違反した場合の措置)を定めることができることとする協定(施業施設協定)を締結できるとされています。
これは、2004年(平成16年)4月1日に施行された森林法の改正で定められた「施業実施協定」の内容を準用する形になっています。
名前が似ていますが、「施業実施協定」とは、市町村長の認可を受けて協定を締結し、森林所有者間の話合いによる森林の集約化や、NPO法人等が森林施業に参加することで、森林の適正な管理や、集約化を通じた効率的・持続的な森林経営の実現を目指したものでした。
そこから「森林経営計画制度」や「区域計画」へと発展・連携しているのですが、ポイントはそこではありません。
施業実施協定の認可の公告のあった施業実施協定は、その公告後に当該施業実施協定の対象とする森林の森林所有者等または当該森林の土地の所有者等となったものに対してもその効力が及びます。
施業実施協定に関する土地と知らずに相続や贈与、購入によって土地所有者となったときに、土地の利用に制限がかかることになります。
ここで、今回の「施業施設協定」ですが、同様に公告後に「土地」や「施設」の所有者に新たになったときも、同様に制限がかかります。
(今回、施設が加わったので、道路などもあり得ます。)
そのため、国交省からも「宅地建物取引業法施行令の一部改正」という形で、通知が出されており、施業施設協定についても重要事項として説明するように義務付けています。
売買であれば重要事項として把握できると思いますが、相続などの場合は気づかない場合もありえます。
林地の調査については、この「施業実施協定」や「施業施設協定」の公告の有無も今後は気を付ける必要があります。
<折り畳み>森林法(2026.4.1改正後)(施業施設協定)
第十条の十一の九 対象森林の森林所有者等及び当該対象森林の施業を実施するために必要な作業路網その他の施設(以下この条において「施業施設」という。)の施設所有者等(当該施業施設の所有者、その敷地である土地の所有者又は当該土地の使用及び収益を目的とする権利(臨時設備その他一時的に使用する施設のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者をいう。)は、当該市町村の長の認可を受けて、当該対象森林について一定の区域を定め、その区域内の森林の施業を実施するために必要な施業施設の設置又は維持運営に関する協定(以下この条において「施業施設協定」という。)を締結することができる。
2 施業施設協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 施業施設協定の目的となる前項の森林の区域及びその面積並びに施業施設の位置
二 施業施設の設置又は維持運営に関する事項
三 施業施設協定の有効期間
四 施業施設協定に違反した場合の措置
3 第十条の十一(第四項及び第五項に限る。)から前条までの規定は、施業施設協定並びに当該施業施設協定の対象となる森林及び施業施設について準用する。この場合において、第十条の十一第四項中「森林の土地の所有者」とあるのは「施業施設協定の対象となる施業施設の施設所有者等(第十条の十一の九第一項に規定する施設所有者等をいう。以下同じ。)」と、第十条の十一の三第一項及び第十条の十一の四第一項中「第十条の十一第一項又は第二項」とあるのは「第十条の十一の九第一項」と、同項第二号中「森林」とあるのは「森林及び施業施設協定の対象とする施業施設」と、同項第四号中「第十条の十一第一項の認可の申請に係る施業実施協定にあつては、森林経営管理法」とあるのは「森林経営管理法」と、同条第二項中「明示し」とあるのは「明示し、かつ、施業施設協定の対象とする施業施設である旨を当該施業施設内の見やすい場所に、又は当該施業施設が存する旨をその敷地である土地の区域内の見やすい場所に明示し」と、第十条の十一の五第一項、第十条の十一の七第一項及び前条第二項中「森林の土地の所有者」とあるのは「施設所有者等」と、第十条の十一の六中「森林の土地の所有者」とあるのは「施業施設協定の対象とする施業施設の施設所有者等」と、第十条の十一の七第一項中「第十条の十一第一項若しくは第二項」とあるのは「第十条の十一の九第一項」と、前条第一項中「第十条の十一第一項若しくは第二項」とあるのは「次条第一項」と読み替えるものとする。
3.林地開発許可での「許可条件違反に対する罰則の追加」と「違反者の公表」
森林法では、無許可や無届での開発行為や保安林内での違反については罰則がありました。
無許可の林地開発行為: 許可なく森林を開発した場合、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金
無届の伐採(伐採届未提出): 伐採届を出さずに伐採した、または遵守命令に従わない場合、100万円以下の罰金
森林の状況報告未提出: 伐採後の報告を行わない場合、30万円以下の罰金
保安林内での違反は最大150万円以下の罰金、無届伐採は100万円以下の罰金
今回の改正で、林地開発許可に「許可条件違反に対する罰則の追加」がなされています。
許可条件は、許可が出される際に条件として付与されるもので、
防災施設の先行設置や○○ヵ月ごとに報告書を出すことなどが条件としてだされていました。
(参考)開発行為の許可に当たって付する条件例について
【出典:開発行為の許可基準等の運用について 令和4年11月15日付け 4林整治第 1188 号 別記6】
ただ、その条件を違反した場合に「許可を取り消すことがある」とあるのみで、
指導段階での違反状態の解消が難しくなっていました。
そのため、今回の改正で、許可条件違反に対して、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」が定められました。
また、違反者の氏名公表制度の創設も改正で行われ、
許可条件(擁壁・排水施設の設置など)に違反し、都道府県知事による中止命令や復旧命令に従わない場合、その氏名や法人等の名称が公表されることになりました。
条例で同様の公表を行っていた自治体もありましたが、これで全国的に行われることになっています。
<折り畳み>森林法(2026.4.1改正後)(公表関係)
第十条の三
2 都道府県知事は、前項の規定による命令を受けた者が、正当な理由がなくて当該命令に従わなかつたときは、その旨及び当該命令に係る森林の土地の地番その他必要な事項を公表することができる。
<折り畳み>森林法(2026.4.1改正後)(罰則関係)
第二百六条
(中略) 二 第十条の二第一項の許可に付した同条第四項の条件(擁壁、排水施設その他の森林の有する公益的機能を維持するために必要な施設を設置し、又は維持管理すべきことを内容とするものに限る。)に違反し、開発行為をした者
4.各都道府県の条例・要綱等での変更
森林法の見直しを受けて、各自治体で定めた林地開発にかかる条例や要綱なども変更が出ていると思います。
ただ、違反者の公表は条例で行っている自治体もあったので、大きく変わらないところもあるでしょう。
ホームページに要綱などを載せていない自治体もあるので、林地開発を検討の際は、事前に自治体に該当法令について確認することが必要です。
5.まとめ
「森林経営管理法及び森林法の一部を改正する法律」についてをまとめていきました。
例年、色々と問題になることもでてきて、改正や通達などが出てきています。
森林や林業、開発について、自治体のスタンスも変わってきているように感じます。
林地開発の伴う施設や再エネ発電所の設置や更新は、様々な法令が関係してくるため、専門家のサポートが必要なケースが多くなります。
計画準備から最終的な手続きまで、非常に多くのハードルを越えていく必要があります。
株式会社環境と開発は、長年のコンサルティング経験を活かしたサポートをしていますので、林地開発にかかる各種規制にお困りの際はお気軽にコンサルティング担当にご相談ください。
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この記事を監修している【株式会社 環境と開発】の代表取締役 田邉です。
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