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都市計画区域・区域外とは? ~開発許可や廃棄物処理施設の設置許可にも関係します!~

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都市計画区域とは、都市計画法に基づき、都道府県(複数の都道府県にまたがる都市計画区域については国土交通大臣)が指定する区域のことです。
では、都市計画区域でできること、できないことって何があるのでしょうか?

そこでこの記事では、都市計画区域、準都市計画区域、市街化調整区域といった用語や
都市計画法以外での法令との関わりについて詳しく解説していきます。
許認可にかかる具体的な事例などもご紹介しますので、ぜひご覧ください。

目次
1.都市計画区域・区域外とは?
2.都市計画区域・区域外の中身を図で詳しく説明
3.都市計画区域や区域外で必要になる都市開発法の開発許可
4.開発許可の不要な開発行為って?
5.開発許可申請の手続きについて
6.都市計画区域と他の法令(建築基準法、農地法、廃棄物処理法)との関わり
7.都市計画区域・区域外に関する事例紹介
8.まとめ


1.都市計画区域・区域外とは?

都市計画区域とは、都市計画法に基づき、一体の都市として総合的に整備、開発、保全するために都道府県(複数の都道府県にまたがる都市計画区域については国土交通大臣)が指定する区域のことです。

都市計画区域に含まれないエリアは都市計画区域外となります。


また、準都市計画区域というものがありますが、これは「都市計画区域外」にあるエリアです。

準都市計画区域とは、都市計画区域に指定する要件を満たしていない等の理由で都市計画区域外にあるが、将来的に市街化が見込まれる区域の土地利用をあらかじめ規制し、将来的に一体の都市として総合的に整備・開発・保全されることを目的として都道府県が指定する区域のことをいいます。

高速道路のインターチェンジや観光地周辺など、将来的に開発するかも?というような地域が指定されていることがあります。



【関係法令条文】

・都市計画法第五条(都市計画区域)

都道府県は、市又は人口、就業者数その他の事項が政令で定める要件に該当する町村の中心の市街地を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに人口、土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。この場合において、必要があるときは、当該市町村の区域外にわたり、都市計画区域を指定することができる。

2 都道府県は、前項の規定によるもののほか、首都圏整備法(昭和三十一年法律第八十三号)による都市開発区域、近畿圏整備法(昭和三十八年法律第百二十九号)による都市開発区域、中部圏開発整備法(昭和四十一年法律第百二号)による都市開発区域その他新たに住居都市、工業都市その他の都市として開発し、及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。

・都市計画法第五条の二(準都市計画区域)

都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の建築若しくは建設又はこれらの敷地の造成が現に行われ、又は行われると見込まれる区域を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)その他の法令による土地利用の規制の状況その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、そのまま土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域を、準都市計画区域として指定することができる。


 

2.都市計画区域・区域外の中身を図で詳しく説明

都市計画区域は、「線引き都市計画区域」と「非線引き都市計画区域」に分けられます。
さらに線引き都市計画区域内には、「市街化区域」と「市街化調整区域」があります。

先ほどでた準都市計画区域も含め図解します。

〇市街化区域と市街化調整区域 → 都市計画区域のエリアを分ける線引き

都市計画区域内においては、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図る必要があるときは、市街化区域と市街化調整区域の区分(区域区分)を定めることができます。

市街化区域   ・・・ 既に市街地を形成している区域か、概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域

市街化調整区域 ・・・ 市街化を抑制すべき区域

この区域区分を定めることを一般的に「線引き」と言います。



3.都市計画区域や区域外で必要になる都市開発法の開発許可

建築物や特定工作物の設置を目的とする土地の区画形質の変更を開発行為といいます。
都市計画区域内又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、都市計画法第二十九条に従い、都道府県知事(指定都市、中核市においては市長)の許可を取得する必要があります。

また、都市計画区域外や準都市計画区域おいても、1ヘクタール以上の開発行為については開発許可を取得する必要があります。

【関連FAQ】
開発行為の定義を教えてください。


【関係法令条文】

・都市計画法第二十九条

都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市又は同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「指定都市等」という。)の区域内にあつては、当該指定都市等の長。以下この節において同じ。)の許可を受けなければならない。

(なお、森林において開発行為を行う場合は森林法に定められた林地開発許可を取得する必要があります。)




4.開発許可の不要な開発行為って?

一定の面積未満の開発行為や、建築物や特定の工作物を設置しない場合は、開発許可は不要になります。

都市計画法施行令(政令)で定める規模より小さい開発行為については開発許可不要となります。
政令で定める規模とは次のものになります。

市街化区域:1,000㎡

区域区分が定められていない都市計画区域及び準都市計画区域:3,000㎡

都市計画区域及び準都市計画区域外:10,000㎡


ただし、自治体の条例や開発指導要綱という形で規制対象の拡張や規模の縮小が定められていることが多いので確認が必要です。

例)市街化区域で500㎡以上は条例に基づく手続きが必要、など



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5.開発許可申請の手続きについて

都市計画法に基づく開発行為の許可申請は、決められた様式(別記様式第二、又は別記様式第二の二)による申請書に、都市計画法施行規則第十七条に定められた添付書類を添付して許可権者に提出することになります。

提出先は都道府県知事(指定都市、中核都市においては市長)ですが、その他の市町村の長が事務処理をすることになっていることもありますので、各自治体が作成している開発許可の手引き等をご確認ください。



【関係法令条文】

・都市計画法施行規則第十七条(開発許可の申請書の添付図書)

法第三十条第二項の国土交通省令で定める図書は、次に掲げるものとする。

一 開発区域位置図

二 開発区域区域図

三 法第三十三条第一項第十四号の相当数の同意を得たことを証する書類

四 設計図を作成した者が第十九条に規定する資格を有する者であることを証する書類

五 法第三十四条第十三号の届出をした者が開発許可を受けようとする場合にあつては、その者が、区域区分に関する都市計画が決定され、又は当該都市計画を変更して市街化調整区域が拡張された際、自己の居住若しくは業務の用に供する建築物を建築し、又は自己の業務の用に供する第一種特定工作物を建設する目的で土地又は土地の利用に関する所有権以外の権利を有していたことを証する書類

六 開発行為に関する工事が津波災害特別警戒区域(津波防災地域づくりに関する法律(平成二十三年法律第百二十三号)第七十二条第一項の津波災害特別警戒区域をいう。以下同じ。)内における同法第七十三条第一項に規定する特定開発行為(同条第四項各号に掲げる行為を除く。第三十一条第二項において同じ。)に係るものであり、かつ、当該工事の完了後において当該工事に係る同法第七十三条第四項第一号に規定する開発区域(津波災害特別警戒区域内のものに限る。第四項及び第三十一条第二項において同じ。)に地盤面の高さが基準水位(同法第五十三条第二項に規定する基準水位をいう。第四項及び第三十一条第二項において同じ。)以上となる土地の区域があるときは、その区域の位置を表示した地形図

2 前項第一号に掲げる開発区域位置図は、縮尺五万分の一以上とし、開発区域の位置を表示した地形図でなければならない。

3 第一項第二号に掲げる開発区域区域図は、縮尺二千五百分の一以上とし、開発区域の区域並びにその区域を明らかに表示するに必要な範囲内において都道府県界、市町村界、市町村の区域内の町又は字の境界、都市計画区域界、準都市計画区域界並びに土地の地番及び形状を表示したものでなければならない。

4 第一項第六号に掲げる地形図は、縮尺千分の一以上とし、津波防災地域づくりに関する法律第七十三条第四項第一号に規定する開発区域の区域及び当該区域のうち地盤面の高さが基準水位以上となる土地の区域並びにこれらの区域を明らかに表示するに必要な範囲内において都道府県界、市町村界、市町村の区域内の町又は字の境界、津波災害特別警戒区域界、津波防災地域づくりに関する法律第七十三条第二項第二号の条例で定める区域の区域界並びに土地の地番及び形状を表示したものでなければならない。



6.都市計画区域と他の法令(建築基準法、農地法、廃棄物処理法)との関わり

「都市計画区域なのか?区域外なのか?」ということが大事になるのは、エリアによって制限が変わる法律や条令があるからです。
主なものとして、建築基準法、農地法、廃棄物処理法について簡単に見ていきます。

(1)都市計画区域と建築基準法

建築基準法は建築物の最低基準を定めている法律になります。
都市計画法による定めに従って、建築基準法により用途制限や容積率・建ぺい率の制限が定められています

例)市街化区域にある第1種低層住居専用地域では、建築物を店舗として使用できない。

建築基準法別表第2の概要(※一部抜粋です)
用途地域(抜粋)



(2)都市計画区域と農地法

市街化区域は都市計画法において「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」とされています。
そのため、農地転用をしたい農地が市街化区域内にある場合は、市町村の農業委員会への農地転用の「届出」が必要となります。

市街化区域以外は全て農地転用の「許可」が必要になります。

市街化区域 ・・・ 農業委員会へ農地転用の届出

市街化調整区域(線引き都市計画区域) 
非線引き都市計画区域         ・・・ 都道府県知事等の許可が必要
準都市計画区域

農地転用(農地法第4条・第5条)について




(3)都市計画区域と廃棄物処理法

廃棄物処理施設は都市計画区域(用途地域)で設置ができるかや手続きが増えるなど制約が大きいです。

都市計画区域内 ・・・ 廃棄物処理施設設置許可 + 建築基準法第51条ただし書き許可 



また、市街化調整区域に計画する場合も要注意です。
廃棄物処理施設は市街化調整区域に建てるようにしようと考える自治体があります。
逆に廃棄物処理施設は市街化調整区域に建てさせないという自治体もあります。

市街化調整区域では、立地として廃棄物処理施設を設置可能かどうかを自治体にまず確認するのが第一です。
具体的に候補地の場所とどういった廃棄物処理施設を考えているかを伝えて確認すれば、絶対に難しいというものは確認できるでしょう。



7.都市計画区域・区域外に関するご相談事例紹介

都市計画区域・区域外に関する環境と開発でのご相談事例をご紹介します。

工場や廃棄物処理施設に関わるものは、
都市計画区域であれば、市街化区域の「工業地域」「工業専用地域」、市街化調整区域、
都市計画区域外というものが多いです。
宅地開発だと都市計画区域内のものが多いです。

都市計画区域・区域外に関するご相談事例①:都市計画区域外 開発許可を取得して工場新設



【課題】
該当市町村では事業内容やスキームが初めての事例でした。
そのため、県も含めた関係行政機関と密な打合せを行っていく必要がありました。

【施策】
本事例では、市街化調整区域での開発許可手続きを済ませ開発の許可を得ました。
ほか、以下の施策を行いました。

①各種インフラ調査

②現況地形測量・境界測量

③土木造成計画立案

 → 都市計画区域・区域外に関する本事例のページはこちら


都市計画区域・区域外に関するご相談事例②:市街化調整区域 「地区計画」による都市計画決定と開発許可を取得



【課題】
小学校に近く、すぐ隣迄住宅地があるが、裏は自衛隊の演習場で、計画地は市街化調整区域でした。
計画の規模から「地区計画」による都市計画決定での立地要件を獲得する他は有りませんでした。

【施策】
本事例では、地区計画を策定し、県との下協議や都市計画審議会を経たうえで、市街化調整区域での開発許可手続きを済ませ開発の許可を得ました。
ほか、以下の施策を行いました。

①各種インフラ調査

②現況地形測量・境界測量

③土木造成計画の立案

④農地法に基づく農地転用許可の取得

⑤道路法に基づく関連許可等の取得

 → 都市計画区域・区域外に関する本事例のページはこちら


都市計画区域・区域外に関するご相談事例③:市街化調整区域 産業廃棄物処理施設を新設



【ご要望】
金属系廃棄物の処理の拡充のために、2拠点目として計画を立案され、一廃・産廃処理施設と自動車リサイクル法にかかる施設を併設したいとの要望。
第1期竣工直後に起こった熊本地震を受けて、緊急かつ大量に発生する災害廃棄物の受入れに十分な規模の施設を整備したいとの要望。そのため、再度の建築基準法第51条ただし書き許可を取得するなどが必要に。

【課題】
第1期申請の際、開発が制限される市街化調整区域内での工事計画の為、建築基準法、都市計画法や廃棄物処理法など多岐にわたる法令手続きを随時進めていく必要ありました。また、計画地が過去にセメントプラントとして使われており、開発手続きと並行して土壌汚染対策法に基づく土壌調査に時間がかかりました。

【施策】
本事例では、廃棄物処理法関連の手続きのほか、以下の施策を行いました。

①建築基準法第51条ただし書き許可にかかる手続き

②市街化調整区域での開発許可にかかる協議

③工場敷地内に残っていた里道・水路の払下げ手続き

④土壌汚染対策法に基づく汚染土壌調査

 →都市計画区域・区域外に関する本事例のページはこちら



8.まとめ

都市計画区域は、「線引き都市計画区域」と「非線引き都市計画区域」に分けられます。
さらに線引き都市計画区域内には、「市街化区域」と「市街化調整区域」があります。
都市計画区域外も含め、どこに該当するかで色々な手続きが変わってきます。

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