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産業廃棄物処理施設 種類別一覧

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産業廃棄物処理施設には、破砕施設や最終処分場といったものがあるというのをご存じの方が多いでしょう。

しかし、産業廃棄物処理施設にはどのようなものがあるのか、種類がわかりにくいと感じている方が多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、産業廃棄物処理施設の種類別にまとめたものや施設の種類ごとの具体的なご相談事例を交えながら詳しく解説していきます。

これから産業廃棄物処理施設の設置などを検討している方は、ぜひ参考にしてください。


目次
  1. 産業廃棄物処理施設の定義
  2. 産業廃棄物処理施設の処理方法 種類別一覧
  3. 産業廃棄物処理施設の処理対象 種類別一覧
  4. 産業廃棄物処理施設の構造基準 種類別一覧
  5. 産業廃棄物処理施設の種類別ご相談事例
  6. まとめ

1.産業廃棄物処理施設の定義

産業廃棄物処理施設の種類を示す前に、産業廃棄物処理施設の定義について説明します。

産業廃棄物の最終処分や中間処理を行う施設の中でも、ある一定規模以上の処理能力を有するものについては、廃棄物処理法で産業廃棄物処理施設とされています。
産業廃棄物処理施設は2でまとめている一覧にある18種類に限られています。


2.産業廃棄物処理施設の処理方法 種類別一覧

まずは、処理施設の施設種類(処理方法)に分けた種類別一覧です。

例えば「選別施設」のように一覧にないものは産業廃棄物処理施設に含まれません。

※ただし、設置許可が不要となるだけで、産業廃棄物の処分(中間処理、最終処分)を業として行う場合は、許可権限を持つ都道府県や市の産業廃棄物処分業許可が必要になります。

(1)中間処理施設

施設の種類(処理方法) 処理する廃棄物の種類 処理能力
脱水施設 汚泥 1日当たり10立方メートルを超えるもの
乾燥施設 汚泥 1日当たり10立方メートルを超えるもの
乾燥施設(天日乾燥) 汚泥 1日当たり100立方メートルを超えるもの
焼却施設 汚泥 1日当たり5立方メートルを超えるもの、1時間当たり200kg以上又は火格子面積2平方メートル以上のもの
廃油 1日当たり1立方メートルを超えるもの、1時間当たり200kg以上又は火格子面積2平方メートル以上のもの
廃プラスチック類 1日当たり100kgを超えるもの又は火格子面積2平方メートル以上のもの
廃PCB(注1)等、PCB汚染物
又はPCB処理物
すべてのもの
その他の産業廃棄物 1時間当たり200kg以上又は火格子面積2平方メートル以上のもの
油水分離施設 廃油 1日当たり10立方メートルを超えるもの
中和施設 廃酸・廃アルカリ 1日当たり50立方メートルを超えるもの
破砕施設 廃プラスチック類 1日当たり5tを超えるもの
木くず・がれき類 1日当たり5tを超えるもの
コンクリート固型化施設 有害物質を含む汚泥 すべてのもの
ばい焼施設 水銀又はその化合物を含む汚泥 すべてのもの
硫化施設 廃水銀等 すべてのもの
シアン分解施設 シアン化合物を含む汚泥、廃酸、廃アルカリ すべてのもの
廃石綿等又は石綿含有産業廃棄物の溶融施設 廃石綿等又は石綿含有産業廃棄物 すべてのもの
廃PCB等又はPCB処理物の分解施設 廃PCB等又はPCB処理物 すべてのもの
PCB汚染物又はPCB処理物の洗浄施設 廃PCB等又はPCB処理物 すべてのもの
PCB汚染物又はPCB処理物の分離施設 廃PCB等又はPCB処理物 すべてのもの





























注1  PCBとは、ポリ塩化ビフェニルの略称です。

(2)最終処分場

施設の種類(処理方法) 処理する廃棄物の種類  処理能力 
遮断型最終処分場 有害な産業廃棄物 すべてのもの
安定型最終処分場 安定型産業廃棄物(注2)  すべてのもの 
管理型最終処分場  上記2つ以外の産業廃棄物 すべてのもの 

注2  安定型最終処分場で処理できる産業廃棄物とは、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラス及び陶磁器くず、がれき類で有機性の物質、油分及び有害物質を含有または付着していないものです。これらを安定型産業廃棄物といいます。


3.産業廃棄物処理施設の処理対象 種類別一覧

先ほどは処理施設の種類(処理方法)別にしていましたが、今回は処理する廃棄物(処理対象)の種類別にまとめた一覧です。

例えば、処理対象でいうと「ガラスくず」のように一覧にないものは産業廃棄物処理施設に含まれません、
ただ、処理対象の(13)にあるように、焼却施設については対象が「その他の産業廃棄物」と広くなっているのでご注意ください。

(1)汚泥

施設の種類 処理能力
脱水施設 1日当たり10立方メートルを超えるもの
乾燥施設 1日当たり10立方メートルを超えるもの
乾燥施設(天日乾燥) 1日当たり100立方メートルを超えるもの
焼却施設 1日当たり5立方メートルを超えるもの
1時間当たり200kg以上のもの
火格子面積2平方メートル以上のもの









(2)廃油

施設の種類 処理能力
焼却施設 1日当たり5立方メートルを超えるもの
1時間当たり200kg以上のもの
火格子面積2平方メートル以上のもの
油水分離施設 1日当たり10立方メートルを超えるもの







(3)廃酸・廃アルカリ

施設の種類 処理能力
中和施設 1日当たり50立方メートルを超えるもの




(4)廃プラスチック類

施設の種類 処理能力
破砕施設 1日当たり5tを超えるもの
焼却施設 1日当たり100kgを超えるもの
火格子面積2平方メートル以上のもの






(5)木くず・がれき類

施設の種類 処理能力
破砕施設 1日当たり5tを超えるもの




(6)有害物質を含む汚泥

施設の種類 処理能力
コンクリート固型化施設 すべてのもの




(7)水銀又はその化合物を含む汚泥

施設の種類 処理能力
ばい焼施設 すべてのもの




(8)汚泥、廃酸または廃アルカリに含まれるシアン化合物

施設の種類 処理能力
分解施設 すべてのもの




(9)廃石綿等又は石綿含有産業廃棄物

施設の種類 処理能力
溶融施設 すべてのもの




(10)廃PCB等、PCB汚染物又はPCB処理物

施設の種類 処理能力
焼却施設 すべてのもの




(11)廃PCB等又はPCB処理物

施設の種類 処理能力
分解施設 すべてのもの




(12)PCB汚染物又はPCB処理物

施設の種類 処理能力
洗浄施設 すべてのもの
分離施設 すべてのもの





(13)焼却施設で処理されるその他の産業廃棄物

施設の種類 処理能力
焼却施設 1時間当たり200kg以上のもの
火格子面積2平方メートル以上のもの





(14)最終処分場で処理される産業廃棄物

処理する廃棄物の種類  施設の種類 処理能力 
有害な産業廃棄物 遮断型最終処分場 すべてのもの
安定型産業廃棄物(注2)  安定型最終処分場 すべてのもの 
上記2つ以外の産業廃棄物 管理型最終処分場  すべてのもの 

注2  安定型最終処分場で処理できる産業廃棄物とは、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラス及び陶磁器くず、がれき類で有機性の物質、油分及び有害物質を含有または付着していないものです。これらを安定型産業廃棄物といいます。


4.産業廃棄物処理施設の構造基準 種類別一覧

産業廃棄物処理施設が生活環境に与える影響を最小化するために、施設毎に必要な全国一律の構造基準を法令で定めています。
ただし、各自治体の条例や指導要綱などで上乗せの基準があるため、計画地での基準を確認する必要があります。

施設の種類 構造基準 一覧
全ての廃棄物処理施設 ・構造耐力上の安全性
・腐食防止のための構造
・飛散等の防止のための構造
・騒音、振動の発生防止のための構造
・排水処理設備の設置
・受入設備及び貯留設備の容量確保

焼却施設
(ガス化改質除く)
・ごみの定量供給装置の設置
・焼却室の構造(摂氏800℃※1 以上での焼却が可能、燃焼ガスが摂氏800℃※1 以上で2秒間滞留可能)
 ※1 PCB等焼却施設においては1,100℃
・燃焼室中の燃焼ガス温度の記録装置の設置
・冷却設備の構造
・集じん器に流入する燃焼ガス温度の記録装置の設置
・排ガス処理設備の設置
・排ガス中の一酸化炭素濃度の連続測定、記録装置の設置
・ばいじんと焼却灰の分離排出、貯留のための設備の設置
・灰出し設備の設置
・流出防止堤等の設置※2
・廃油の床等への不浸透性※2
 ※2 廃油及びPCB等焼却施設の場合のみ

破砕施設 ・粉じんの飛散防止に必要な集じん機、散水装置等の設置



5.産業廃棄物処理施設の種類別ご相談事例

ここからは、株式会社環境と開発にご相談頂いた廃棄物処理施設の種類別の事例をご紹介します。
種類別にしているので、廃棄物処理施設の設置等を検討されている方は、是非参考にしてください。


産業廃棄物処理施設のご相談事例①:廃プラスチック類の破砕施設(新設)




【ご要望】

産業廃棄物の取扱量の増加に対応するため、新たに混合廃棄物及び廃プラスチック類のリサイクル施設を整備したいとのご相談をいただきました。工場を稼働させながら新規設備の導入を進めていくため、工事を何段階かに分ける必要がありました。

【課題】
もともと他社で操業されていた工場跡地であったものの、敷地内に市道や法定外公共物が残っている、開発許可を取得せずに建築確認が取れている等、以前の許可に問題個所が多々あり、それらの問題を解決しながら、新しい施設を整備しました。

【施策】
関係法令を遵守して、廃棄物処理施設を設置したいとのご要望を頂き、以下の施策を行いました。

①どのような手続きが必要か行政と協議

②廃棄物処理法に基づく生活環境影響調査

③廃棄物処理法及び建築基準法等の関係法令手続き


→ 廃プラスチック類の破砕施設の本事例のページはこちら



産業廃棄物処理施設のご相談事例②:木くずの破砕施設(新設)



【ご要望】
新たに廃棄物処理を始めていくにあたり、適切な処理施設の計画作成や一般廃棄物・産業廃棄物両方の処理が行える施設の許可を取得したいとのご相談をいただきました。

【課題】
木くず破砕施設の設置のための廃棄物処理法に基づく産業廃棄物処理施設設置許可の取得が必要でした。
また、事業計画地は非線引きの都市計画区域内の土地となるため、廃棄物処理施設の設置には建築基準法第51条ただし書き許可の取得、3,000㎡以上の土地の開発には都市計画法の開発許可がそれぞれ必要となりました。さらに、開発許可については、別の工場用地として大津技研様で以前に開発許可を取得され、計画途中で断念された経緯があり、開発許可の変更手続きが必要でした。

【施策】
本事例では、廃棄物処理法関連の手続きのほか、以下の施策を行いました。

①建築基準法第51条ただし書き許可にかかる手続き

②開発許可の変更にかかる手続き

 

→ 木くずの破砕施設の本事例のページはこちら



産業廃棄物処理施設のご相談事例③:木くず・がれき類の破砕施設、廃プラスチック類の破砕施設、汚泥の脱水施設(新設)




【ご要望】
東京都スーパーエコタウン事業で採択された埋設廃棄物の処理を行う計画でした。
埋設廃棄物に含まれる品目を許可内容として網羅するご要望がありました。
汚染土壌の洗浄処理も計画していたため、廃棄物処理施設としては汚泥の脱水施設も許可対象となりました。

【課題】
スーパーエコタウン事業に採択された計画でしたが、一部に事業採算の悪い事業が含まれており、そのままでは事業化するのが難しい状態でした。
市場調査や事業主体の取り扱い廃棄物の傾向から、対象とする廃棄物自体の見直しから始める必要がありました。

【施策】
本事例では、廃棄物処理法関連の手続きのほか、以下の施策を行いました。

①プラント・建築計画立案
②ファイナンスに関する金融機関等への対応
③環境アセスメント
④工事の進捗管理
⑤補助金取得
⑥プラント運転管理システムの構築

 
→木くず・がれき類の破砕施設、廃プラスチック類の破砕施設、汚泥の脱水施設の本事例のページはこちら


6.まとめ

今回の記事では、産業廃棄物処理施設の種類に関する内容を取り上げました。
また、産業廃棄物処理施設のご相談事例についてもあわせてご紹介しました。

産業廃棄物処理施設の設置や更新は、様々な法令が関係してくるため、専門家のサポートが必要なケースが多くなります。
設置準備から最終的な手続きまで、非常に多くのハードルを越えていく必要があります。
株式会社環境と開発は、そうした施策を一気通貫でサポートしていますので、お気軽にご相談ください。

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