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廃棄物処理施設設置に関する関係法令セミナー【都市計画法編】

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このブログは、令和4年3月にプラントメーカーの営業の方に向けに行った「廃棄物処理施設設置に関する関係法令」のセミナーの内容を法律毎に分けて掲載しています。

 

テーマ:「廃棄物処理施設設置に関する法令セミナー」

日 時:2022年3月2日

講 師:株式会社環境と開発 代表取締役 田邉 陽介

 

 

経歴

2001年株式会社環境と開発に入社。2007年には代表取締役就任する。業界トップレベルの許認可手続きのノウハウを持ち、安全性、経済性を満たした計画の提案から、許認可取得まで一貫した提供を行う。

 


目次


1.廃棄物処理施設設置に関する関係法令

廃棄物処理施設設置に関する関係法令で、施設を造るということに関係する法律について説明します。

はじめに、廃棄物処理施設の設置には様々な法令が関係します。許可関係は、全体の工程を理解してないと設置までに余計に時間がかかってしまいます。

そもそも設置ができない場所で、計画を立てているようなケースもあり得ますので、最初に何を確認すれば良いかなども一緒にご説明します。

 

まず、法律にも色々ありますが、最初に施設が設置できる、できないに関係してくる三つの法律についてご説明いたします。

  

廃棄物処理法、これはそもそもですが、これ以外にその場所に設置でできるかどうかにかかわってくる法律に建築基準法の特に第51条ただし書きに許可と都市計画法の開発許可があります。

表1:廃棄物処理施設設置に関する関係法令の整理

※建築基準法に基づく建築確認申請など、他にも関係法令はあります。


少し難しいことで、細かいことは色々出てきますが、全体像をつかむという意味ではこの表1を見てください。

表1が何を表しているかというと、まず上に、都市計画法の都市計画区域の区域内か、区域外かで大きく変わります。さらに都市計画区域の線引きか、非線引きかで変わります。区域外の場合は面積で関係する法律が変わります。

もう一点は大きく廃棄物処理法の第15条、第8条、特に皆さんは第15条を扱うことが多いかと思いますが、要は、産業廃棄物処理施設の設置許可の対象施設かどうかということです。


見方としては、例えば、お客様の計画地が都市計画区域内に入っていて、更に第15条施設かどうかで、。又は都市計画区域外だと、か。というように見て、一番多く法律が書いてあるは、都市計画区域の中で線引きだと1,000㎡以上、非線引きだと3,000㎡以上だと設置許可も必要で、第51条ただし書き許可も必要、さらに都市計画法の開発許可も必要になります。この三つの許可を取得しないと工事ができません。という見方をするときに使う表です。

設置できる、できないと言うよりも、廃棄物処理施設を設置する際にこのような許可を取らないと施設が設置できないということになります。

【関連FAQ】

都市計画区域とは何ですか?

都市計画区域における線引きとは?



1)開発許可(都市計画法)の都市計画区域について

まず、最初に都市計画区域に、入っているのか入っていないのかの確認が必要になります。都市計画区域に入っていない場合は、都市計画区域外になります。もう一点、準都市計画区域という区域がありますが、ここは、廃棄物処理施設とは関係ないので、準都市計画区域に入っている場合は、都市計画区域外としてみてほぼ問題ありません。

次に、市街化区域か、市街化調整区域かで大きく変わります。あと非線引き区域という区域があります。市街化区域でも市街化調整区域でもない「白地」と言われる区域ですが、関東地区の都市圏では、非線引き区域はほぼありません。地方に行けば行くほど、この非線引き区域が指定されているところが増えます(図1)

都市計画法による区分

図1:都市計画法による区分

  

注意して欲しい点は、都市計画図を見る時に、市街化調整区域なのか、非線引きなのかはすごく見づらく、通常、都市計画図には、市街化調整区域も非線引き区域も色がついていません。どちらも白で、市街化調整区域を設けている所は「市街化調整区域」と右下の凡例に書いてあり、市街化調整区域を線で囲ってありますが、中は白なので、非線引きかと思ったら実は市街化調整区域だったとか。逆に市街化調整区域だと思ったら、実は非線引きだったとかいうことが結構ありますので注意してください。見て分からない時は、役所に聞く又は当社に連絡頂いて、「ここどっちか分からないので見て下さい。」と言って頂ければ直ぐに調べられますので、ご自身で確認されるときは、この点は気を付けてください。見分けが付きにくいので、市街化調整区域なのか、非線引きなのかよく注意してみて下さい。

計画予定地が、この市街化調整区域に入ってしまうと、非常に大変です。市街化調整区域でなければよいのですが、市街化調整区域だと手続きが増えてきますので気を付けて下さい。もっと言うと市街化調整区域に関しては、行政によって許可が取れるところと取れないところがあります。ベースは法律なのですが、法律の中の市街化調整区域の運用に関しては、各自治体で定めることになっていますので、法律で定められている項目にプラスして自治体でも定められている項目があります。廃棄物処理施設については自治体の制度に委ねられていて、市街化調整区域ではそもそも廃棄物処理施設ができない自治体もあります。関係する法令、先ほどご説明いたしました。表1中の②の許可全部取れば廃棄物処理施設ができる自治体もあります。

これについては、実際お尋ねください。もし「市街化調整区域に施設を設置したい」という方がいらっしゃったら、当社に「この場所なのですが設置できますか?」とお聞きいただければ、ちゃんと調べますので、是非ご相談ください。

非線引きと市街化区域については全国一律の基準になりますので、表1中の①の許可を取得すれば、施設の設置ができます。

繰り返しになりますが、市街化調整区域に関しては、そもそも許可が取れない自治体がありますのでその点に気を付けて下さい。そうでなければ、許可を取得していけば、施設は設置できます。ただ、時間が掛かるか掛からないかだけのことです。

【関連FAQ】

産業廃棄物処理施設の設置許可の申請とは?  

許可の不要な開発行為とは?

            

都市計画法の一部が改正されました。
 

2)廃棄物処理施設の設置に関する関係法令手続き全体のフロー

次に、廃棄物処理施設に関する、都市計画法、建築基準法、廃棄物処理法について全体フロー(資料1)で説明します。

この辺はあまり詳しく知らなくても大丈夫です。我々コンサルが実際動かないと取得が難しいとところになりますが、全体図だけは掴んで頂きたいなという意味で説明します。

 

資料1:全体フロー
全体フロー


さいたま市の事例で見ると、全ての許可を取得すれば市街化調整区域でも廃棄物処理施設が設置できます。

市街化調整区域内だと、廃棄物処理施設の設置許可と建築基準法の第51条ただし書き許可と都市計画法の開発許可が絡んできます。この許可を取得しないと、この許可が下りないというように、絡み合っているので、これらの工程を把握して、順次、全て手続きを進めることになります。



【産業廃棄物設置許可・処理業の関連コンテンツ】


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