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食品廃棄物処理施設 設置に関する廃棄物関係の手続き(メタン発酵、メタンガス化)

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食品廃棄物の処理にメタン発酵、メタンガス化という処理方法があります。

今までの食品廃棄物の処理と言えば、飼料化(家畜用の飼料を製造)や堆肥化(肥料を製造)がメインでしたが、
メタン発酵によりメタンガスを使った電気や熱といったエネルギーの製造が進んでいます。

ただ、メタン発酵、メタンガス化の施設は廃棄物処理という観点からみると、
廃棄物を処理する施設と資源化物を利用する施設がくっついたような扱いになっています。

そこで、メタン発酵、メタンガス化の施設設置に関する廃棄物関係の手続について、
許可が必要な施設や処理、産業廃棄物と一般廃棄物による違いを詳しく解説していきます。ぜひご覧ください!



目次
1.メタン発酵、メタンガス化はどんな処理?
2.廃棄物関係の許可が必要な施設・処理
(1)産業廃棄物を処理する場合
(2)一般廃棄物を処理する場合
3.廃棄物処理法以外の重要事項
(1)地元との合意形成
(2)その他関係法令
4.まとめ


1.メタン発酵、メタンガス化はどんな処理?

メタン発酵やメタンガス化とは、食品廃棄物や家畜排せつ物等を原料として、微生物の働きによりメタンを主体とした「バイオガス」を生成する方法です。
バイオガスを燃焼させることで、熱や電気としてエネルギー利用することができます。

地球温暖化対策や廃棄物処理など、食品関連事業者にとっての喫緊の課題への対策として有効であるほか、
エネルギーにかかるコストを削減できる、売電収入が得られるなど、企業の経済的メリットにもつながる可能性もあります。

<施設フロー例>
食品廃棄物 選別・破砕 混合・撹拌 発酵 バイオガス 発電機ボイラ 電気・熱利用 脱水 発酵残さ 堆肥化 廃棄物処理 排水 下水道 公共用水域

参考:環境省HP「メタンガス化施設の導入検討を支援するための情報サイト


(補足)
<バイオ「マス」とバイオ「ガス」の違い>

まぎらわしい似た言葉のバイオマスとバイオガスですが、違いは次のとおりです。

バイオマス ・・・ 生物由来の資源
        (林業の廃材やチップ、建築廃材、稲わらやサトウキビの搾りかす、
         食品廃棄物、家畜の排せつ物や人間のし尿、古紙など)


バイオガス ・・・ バイオマスを原料として、メタン発酵により発生するガス



2.廃棄物関係の許可が必要な施設・処理

メタンガス化施設(メタン発酵施設)は、食品廃棄物(産業廃棄物・一般廃棄物)を処理する施設となるため、
廃棄物処理法や関連法令に基づき許認可が必要になります。

先ほどのフローでいうと、赤のライン内がメタンガス化施設で廃棄物関係の許可にかかる施設です。
食品 廃棄物 資源化利用施設設備 破碎 混合 発電機 発酵 バイオガス ▶電気・熱利用 選別 搅拌 ボイラ 発酵残さ 堆肥化 or 廃棄物処理 希釈水 脫水 排水 下水道 公共用水域~ 廃棄物処理施設 設備

メタンガス化施設は廃棄物処理施設設備にあたる部分と資源化物利用施設設備に分かれます。 
(発酵をおこなう箇所の「メタン発酵施設」と混乱するので、以下、施設全体は「メタンガス化施設」として説明します。)


廃棄物処理施設設備

  ①受入れ・前処理設備(容器などを分ける選別施設、破袋施設、処理物を細かくする破砕・粉砕施設など)

  ②メタン発酵設備  (メタン発酵槽、ガスホルダー、脱硫施設、余剰ガス燃焼設備など)

  ③環境保全設備   (脱臭設備、排水設備など)


資源化物利用施設設備

  ④エネルギー利用設備(発電設備、ボイラなどの熱利用設備、メタンガス精製設備など)

  ⑤マテリアル利用設備(発酵残さの液肥利用・貯留設備、肥料化施設など)
   ※図で赤と緑のラインが交差しているのは、肥料となる処理を行った後は資源化物となるからです。
    肥料化前に廃棄物として処理を他に委託する場合は赤ライン内の扱いになります。

この赤のライン内にある「廃棄物処理施設設備」①②③が廃棄物関係の許認可が必要になるものです。



廃棄物関係の許認可ですが、メタンガス化の原料として処理する廃棄物が「産業廃棄物」か「一般廃棄物」かで変わってきます
両方を処理する場合は両方の許可が必要になります。)


産業廃棄物、一般廃棄物ともに基本的には「設置許可」と「処分業許可」が必要になります。

また、設置許可をとる施設の場所が都市計画区域内の場合は、「建築基準法第51条ただし書き許可」が設置許可申請の前に必要になります。

※各許可について、詳しくは別ブログで解説しています。
→産業廃棄物処理施設 設置許可について
→建築基準法第51条ただし書き許可ってなに?許可基準や流れを解説!

ただし、産業廃棄物と一般廃棄物で対象となる施設の定義や処理内容の定義が違ってきます。


(1)産業廃棄物を処理する場合

産業廃棄物処理施設設置許可 ・産業廃棄物処分業許可

 産業廃棄物処理処理施設許可が必要となる施設は、廃棄物処理法の15条に定められている施設(15条施設)です。
 →産業廃棄物処理施設(15条施設)の説明については別ブログで詳しく

 メタンガス化施設は、その15条施設の中で、
  ①受入れ・前処理設備 ・・・ 前処理の破砕施設(廃プラスチック類、木くず)
  ②メタン発酵設備   ・・・ 発酵後の脱水施設(汚泥)・乾燥施設(汚泥)
 が該当することが多いです。

 多いとしたのは、設備の処理方法や対象物質の状況によっては該当の判断が自治体によっても分かれます。
 ただ、産業廃棄物については一般廃棄物と違い、「汚泥」が設置許可に関わるので産業廃棄物特有の許可になります。


(2)一般廃棄物を処理する場合

・一般廃棄物処理施設設置許可 ・一般廃棄物処分業許可

 一般廃棄物処理施設の設置許可については、産業廃棄物処理施設と違い、
 「1日あたりの処理能力が5t以上のもの」が全て設置許可対象となります。

 メタンガス化施設では、
  ①受入れ・前処理設備 ・・・ 前処理の選別施設、破砕施設など
  ②メタン発酵設備   ・・・ メタン発酵槽など
 で1日あたりの処理能力が5t以上の設備が該当することが多いです。

 特に一般廃棄物は各自治体で処理方法の判断などがそれぞれなので、
 自治体と確認・協議しながら進めていく必要があります。




3.廃棄物処理法以外の重要事項

(1)地元との合意形成

メタンガス化施設は廃棄物処理施設なので、自治体との事前協議の中で住民説明や同意が必要になります。
地元合意が得られないと、許可や工事の遅延や事業の縮小を余儀なくされる等のトラブルが起こります。

そのため、メタンガス化施設計画の初期段階から地元自治体への相談、自治会長への説明など、
こまめにコミュニケーションを取って合意形成を図る必要があります。

メタンガス化施設は、匂いや騒音などの周囲の影響を懸念される施設ではありますが、
施設の管理をしっかりと行い、発電や熱の供給を行う事で、
「食品廃棄物の処理」+「通常時や緊急時のエネルギー供給源」
として、地域に役立つ施設となることを伝えていきましょう。


(2)その他関係法令

廃棄物処理法の他に処理施設の設置の際は、関係法令の協議や申請が必要になります。
参考として、該当する関連法令の一例です。

・建築基準法 → 施設に係る建築確認申請、工事完了検査

・消防法   → 危険物貯蔵所・取扱所設置許可申請

・工場立地法 → 工場立地に関する届出

・景観法   → 建築物等の新築等の届出

・電気事業法 → 系統連系接続申請

・騒音規制法 → 騒音発生施設の届出

・振動規制法 → 振動発生施設の届出

・土壌汚染対策法 → 土地の改変に伴う届出

・水質汚濁防止法 → 特定施設の水質に関する届出

下水道法、公害防止条例、etc・・・

該当するかどうかは施設の規模や構造、立地などで変わってきます。

また、廃棄物関係の法令と同時進行や先だって自治体と協議が必要なものもあるので、
施設の設置に関しては、全体のスケジュールを漏れなく進めていくことが大事になります。

 


4.まとめ

メタンガス化(メタン発酵)施設の設置に関する手続きについて、廃棄物処理の視点からまとめてみました。

メタンガス化(メタン発酵)施設は、脱炭素という観点から、地域の脱炭素化につながる施設です。

ただ、食品廃棄物処理施設の中でも、メタンガス化(メタン発酵)施設は処理設備の投資も大きく、
規模も大きいため、多くの法令に及ぶ計画を並行して進めていく必要があります。

廃棄物処理施設の新設には、様々な法令が関係してくるため、専門家のサポートが必要なケースが多くなります。
設置準備から最終的な手続きまで、非常に多くのハードルを越えていく必要があります。
株式会社環境と開発は、長年のコンサルティング経験を活かしたサポートをしていますので、廃棄物処理施設の規制にお困りの際はお気軽にご相談ください。


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