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廃棄物処理施設 土地の探し方

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産業廃棄物処理施設の土地の探し方は、普通の工場の土地の探し方とは少し違います。
法的な許可があって初めて事業をおこなえる業種なので、各種手続きを問題なく進める必要があります。

しかし、実際にどこに注意して土地を探すといいのか、どこに相談するといいのか、探し方を熟知している方は少ないのではないでしょうか。
また、不動産会社に頼むとしても、ちゃんと廃棄物処理業界に得意な会社か分からないのではないでしょうか。

そこでこの記事では、廃棄物処理施設を新しく設置するための土地の探し方をご紹介していきます。
土地の無料診断もご紹介していきますので、土地選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

目次
1.廃棄物処理施設の土地の探し方は? ~最近の5つの探し方~
2.土地の探し方の失敗例
3.土地の探し方の視点① 都市計画法の区域区分
4.土地の探し方の視点② インフラ・周辺環境
5.土地の探し方の視点③ その他の注意点
6.土地の無料診断のご紹介
7.まとめ


1.廃棄物処理施設の土地の探し方は? ~最近の5つの探し方~

廃棄物処理施設用の土地の探し方には、絶対に外せないいくつかのポイントがあります。

まず、土地の探し方として、次の5つの探し方が最近多くなっています。

土地の探し方
1 既存事業地及びその周辺の土地
2 不動産業者に依頼
3 取引先銀行に依頼 (事業撤退の情報など)
4 M&Aで会社ごと買収
5 排出事業者の事業地・遊休地
それぞれの探し方のメリット、デメリット(の可能性)を説明していきます。

(探し方①)既存事業地及びその周辺の土地

廃棄物処理施設を既に設置して事業をしている土地を使って事業の拡張を行うことは一番リスクが低いと言えます。
その土地に隣接している土地も基本的には大きく条件が変わらないことが多いでしょう。

メリット
・既に廃棄物処理関係の許可を取得している場所である。
・既に廃棄物処理施設があるため、施設周辺住民の理解を得やすい。
 (当然、普段のお付き合いが良好であることが必須です。)

デメリットの可能性
・廃掃法上のみなし許可で平成13年以前に許可を取っていた場合、許可が再度取れない可能性もある。
・既存施設のすぐ横の土地から規制にかかる場所になっている可能性もある。
 (何かしらの理由があって、もともと場所が広げられなかったということも・・・)


(探し方②)不動産業者に依頼

土地を探す場合は不動産業者に依頼するというのは王道の探し方でしょう。
ただし、広さや立地で良いと思っても制約があるかに詳しい不動産業者か判断が必要です。

メリット
・新規に土地を探す場合、情報量が多い。
・地元の業者だと地元の情報なども知っている。

デメリットの可能性
・廃棄物処理施設に伴う各種法規制に精通した業者でないと、施設が建てられない可能性もある。
 (「廃棄物処理施設」だと設置できない条件の土地もあります。)


(探し方③)取引先銀行に依頼(事業撤退の情報など)

普段からやり取りのある取引先銀行に相談するのも有効な探し方です。
業績不振に伴う事業撤退や後継不足による事業撤退など、廃棄物処理事業をおこなっていた土地を探すことができます。

メリット
・事業撤退に関する情報は早く把握しているので、精度の高い情報が得られる。
・その後の事業計画に伴う相談にもつながる。

デメリットの可能性
・タイミングよく事業撤退するところがあれば。


(探し方④)M&Aで会社ごと買収

銀行への相談と同様にM&Aの情報から廃棄物処理事業をおこなっていた土地を探すという探し方もあります。
条件さえ合えば、廃棄物処理施設の人員や技術も含めて事業化を進められるでしょう。

メリット
・M&Aのために、土地についても許認可の見込みも含めて調査されている。
・実績がある人員、施設、技術、立地。

デメリットの可能性
・タイミングよくM&Aがまとまればいいものの、条件次第。


(探し方⑤)排出事業者の事業地・遊休地

最近、排出事業者自身で廃棄物の処理を行う、リサイクル化を行う、という動きも増えています。
また、排出事業者が単独で廃棄物処理を行うことが難しいので、大手の廃棄物処理業者と組み、排出事業者の土地で工場を新設という動きもあります。

メリット
・排出事業者が元々工業地域に工場がある場合、同事業地での廃棄物処理施設は設置しやすい。
・排出元との隣接によるコスト削減になる。

デメリットの可能性
・場所によっては廃棄物処理施設の設置が難しい土地の可能性はある。

 

2.土地の探し方の失敗例

廃棄物処理施設用の土地の探し方の失敗例として、次のようなことがあります。
実際に起こった事例として、お伺いした内容です。


◇不動産会社から「産廃処理事業ができる土地」と言われたので購入した。

 →廃棄物にかかる市との事前協議で周辺の住民同意が取れず、産業廃棄物処理施設としては見送って、資材置き場としたそうです。



◇工場跡地ということで、建物をそのまま使えると思って購入した。

 →建物自体が建築確認を受けずに増築していて(違法建築物)で、増築部分を取り壊すことになったそうです。



◇土地を買ったものの周囲に学校があり、許可が降りなかった。

 →土地自体に問題は無いものの、都市計画区域内の土地の場合は建築基準法第51条ただし書き許可の申請が必要になります。
  自治体によっては施設周辺300m以内に学校や病院がある場所では許可が出ないところもあります。



◇接している道路の幅が足りなかった。

 →都市計画法の開発許可や建築基準法で定められた土地の接道義務のため、廃棄物処理施設の用地としては道路幅員が足りないため工場が建てられなったそうです。



◇排水先が無かった。

 →下水道の接続も流し先の河川もなく、土地の形状から排水が難しいため、建物の建築は見送って資材置き場にしたそうです。



最初の案件では廃棄物処理施設関係に詳しい不動産会社でないと、判断が難しいものです。
それも含めて、全体としてチェックしておくべき点を事前につかんでいなかったことが大きいです。



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3.土地の探し方の視点① 都市計画法の区域区分

次に廃棄物処理施設用地の探し方の視点でチェックしておくべき点を個別に説明します。
まずは、「都市計画法の区域区分」です。

都市計画区域 都市計画区域外 準都市計画区域 都市計画区域 市街化調整区域 市街化区域

(1)都市計画区域内か区域外か? → 区域外の方が作りやすい

都市計画区域内になると、設置許可が必要な廃棄物処理施設(いわゆる15条施設)には建築基準法第51条ただし書き許可が必要になります。
都市計画法による開発許可がかかる面積など、区域外の方が作りやすいです。

(2)市街化調整区域ではないか? → 自治体によって規制が違うので注意

廃棄物処理施設は市街化調整区域に建てるようにしようと考える自治体があります。
逆に廃棄物処理施設は市街化調整区域に建てさせないという自治体もあります。

まず、市街化調整区域では、立地として設置可能かどうかは自治体に確認するのが第一です。
具体的に候補地の場所とどういった廃棄物処理施設を考えているかを伝えて確認すれば、絶対に難しいというものは確認できるでしょう。

(3)工業専用地域・工業地域か? → 建てやすいが注意点も

工業専用地域・工業地域であれば、事前協議での書類の省略など手続き上のメリットがある自治体もあります。
ただ、「工業団地」といったところだと、工業団地自体の規約で「廃棄物処理事業」は認めない、というところもあります。



4.土地の探し方の視点② インフラ・周辺環境

廃棄物処理施設用地の探し方の視点でチェックしておくべき点、次は「インフラ・周辺環境」です。
公共施設、ガス、水道、道路、線路、電話、電気などインフラから注意すべき点です。

(1)接道・道路幅に注意

必要な道路幅がとれた道路と接続しているかの確認が大事です。
道路自体は自治体の道路だと簡単に拡張もできません。
自治体で確認できるので、最初の段階で確認しましょう。

(2)排水経路があるか

敷地内に降った雨水がどこに流れているか、水の流し先はあるのか、ということの確認が盲点になりやすいです。
実際に現地を確認して確認する必要もあります。

(3)周辺の住宅や学校・病院までの距離 

土地自体に問題は無いものの、都市計画区域内の土地の場合は建築基準法第51条ただし書き許可の申請が必要になります。
自治体によっては施設周辺300m以内に学校や病院がある場所では許可が出ないところもあります。
都市計画や建築部局に確認しないと分からない(条例などに明記が無い)こともあるので、早い段階で確認が必要です。



5.土地の探し方の視点③ その他の注意点

廃棄物処理施設用地の探し方の視点でチェックしておくべき点、最後は「その他の注意点」です。

(1)立地基準(廃棄物部局・建築部局)を定めている自治体あり

立地基準がある自治体であれば、立地基準の中を確認し、基準に沿った土地や事業計画かを確認することが必要になります。
ただし、立地基準を作っているのが廃棄物部局ではなく、建築部局で作られていることもあります。
廃棄物部局ではない場合に、見落としやすいことが多いので気をつけましょう。

(2)既存建物(特に工場跡地)でも廃棄物処理施設としては使えないことが多々ある

工場(廃棄物処理以外)があったからといって、廃棄物処理施設は必ずしも設置できません。
土地や建物の用途によって制限が変わってしまうため、以下のことを総合的に見る必要があります。
・都市計画区域
・立地基準
・インフラ(道路など)
廃棄物処理施設の用途として、各条件を満たすのかを初めの段階で確認する必要があります。

(3)必要な面積は明確にしておく

不動産会社に廃棄物処理施設用地の紹介を依頼する場合は、その段階で仮でいいのでプラントの配置などを考えて、その上で必要面積を伝えることが大事です。
2haの土地が無いと自分が考える事業ができない、と考えるのであれば、2ha以上の土地を探してほしいと伝えましょう。
理想とする事業構想を優先させて土地を探す方が、全体的に見て事業がスムーズにいきます。



6.土地の無料診断のご紹介

環境と開発では、土地の無料診断を実施しています。
土地の地番まではっきりしていれば、どのような規制があるかないかということを無料で調査しています。

候補地が見つかった場合は、購入する前に、ぜひ無料診断サービスをご利用ください。
(廃棄物処理施設の設置をお約束するものではありません。)

→該当法令無料診断はこちら


また、現地調査を含めた各種調査についても全国対応しています。
・法令調査(行政確認)
・測量(現況測量・境界測量)
・下流調査
・地質調査
・環境調査(生活環境影響調査など)

具体的に計画が決まっていて調査の依頼先を探している方も
どんなことから調査が必要か迷われている方も、
まずはご相談ください。
→ご相談・お問い合わせはこちら



7.まとめ

今回の記事では、廃棄物処理施設の土地の探し方について取り上げました。
土地の探し方の失敗例や探す際の注意点など網羅的にお伝えしてきました。
また、土地の無料診断についてもあわせてご紹介しました。

廃棄物処理施設用地を探す際は、様々な法令が関係してくるため、専門家のサポートが必要なケースが多くなります。
株式会社環境と開発は、長年のコンサルティング経験を活かしたサポートをしていますので、土地の探し方からお気軽にコンサルティング担当にご相談ください。

→ コンサルティング担当の紹介ページはこちら

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